どちらも通えるが、大規模校がいいのか、大規模校以外がいいのか
関東にお住まいの方で、サピックスの入塾を検討しているけれど、
家から通える校舎が複数あって、どこにしたらいいか
迷われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
合格者数の多い校舎がいいのか、志望校のお膝元がいいのか・・・
でも校舎によっては第一希望の校舎は入室制限(新入生の募集を停止している)があって、
希望の学年で入室できず、一旦は遠いけど入れる校舎に通い、
募集が始まったら第一希望の校舎に転校する、なんて話もあります。
志望校が定まっていて、お膝元の校舎に絶対通います!!という
強い意志のある方は別だと思いますが、、、
サピックスって大規模校とか小中規模校とかあるけど、
どちらも家から通えるのよね、どっちがいいのかしら
という方もいらっしゃるのではないかと思います。
そんな大規模校がいいのか大規模校以外がいいのかで迷われている方が、
どちらにしようか決めるにあたって、少しでもお役に立てればと思い、
大規模校も大規模校以外も通塾経験がある我が家がどのように考えたか、も交えながら
お話していきたいと思います。
サピックスの大規模校とは ~荒波に揉まれて強くなって来い!!!なら大規模校へ
大規模校といっても、厳密な定義があるわけではありません。
大規模校はアルファコースが6コース以上ある、
全コースで20コース以上あるような規模の校舎のイメージです。
自由が丘校、東京校等がこれに該当します。
ちなみにアルファ1~6、A-Zで26 計32コースがMAXです。
1学年に200~400人いると考えるとすごい数ですよね。
では大規模校の特徴をあげてみましょう。
【大規模校の特徴①】マンスリー確認テストのコース昇降がエグい
大規模校はコースも多いので、テスト結果によってのコース昇降がある場合の変動幅が激しいです。
組み分けテストはコース昇降無制限なので、全30コース程もあればそこのどこになるかはもちろん恐ろしいことになりますが、それは置いておいたとして、
ほぼ月1回行われるマンスリー確認テストにおいては、昇降の上限下限が決まっているものの、
大規模校では、なんと上下6コースも変動することになります。
例えば、そのマンスリー確認テストの範囲がどの教科もものすごく苦手で成績が振るわなかった、とか、今月は家庭学習めっきりできなかった、なんて場合は
ドーンと落ちたりするわけです。
アルファコースとアルファベットコース行ったり来たりなんてざらです。
《我が家のケース》 幸い我が家が大規模校に在籍していたのが3年生までだったので、 実際にこの試練を迎えたことはなかったのですが、 息子の友達が現在大規模校に通っていて、 テストの度に、 今度はコースがいくつ落ちた~(涙) という話をしているようです。 (なぜか上がった話は聞かない・・・)
親としても、いちいちコース変動を気にしてばかりではダメとは思うものの、
落ちたコース数を見てしまうと、やっぱり肩を落としてしまうものですよね。
こうして子はもちろんですが、母のメンタルも鍛えられることになります。
その点もともとコース数の少ない校舎だと、
同じ成績の変動だったとしても、1、2コース下がっただけ、
ということにもなりうるわけです。
コース数 | 昇降の範囲 |
---|---|
1~7コース | ±1コース |
8~12コース | ±2コース |
13~17コース | ±3コース |
18~22コース | ±4コース |
23~27コース | ±5コース |
28~32コース | ±6コース |
【大規模校の特徴②】1コース内にいる生徒のレベルが近い
上記でお話したように大規模校だとテスト結果で30コース程に生徒が振り分けられるわけですから、大規模校では1コースに入る点数のレンジが狭いわけです。
すると、おのずとそのコース内にいる子たちの点数はほぼ同じくらいですので、
子たちのレベルはそろっているわけです。
ということは、
この子は問題解き終わってるけどこの子は全然解けてない、
みたいなことが少ないので、理解の足並みが揃い、
授業の進み方がスムーズになることになります。
(もちろん講師の技量にもよりますけどね)
その一方で、みんながこれくらいできるのは当たり前、
で授業が進んでいくので、
時には悩ましいことも起こります。
《我が家のケース》 息子が、大規模校のとある授業で、先生に指名されて答えられず、 「そんなこともわからないの?」的なことを言われ、 次の子が答えた時に、 「だよね~」 とその先生に言われたそうです。 子供の証言がどこまで真実かは確認しようがありませんが、 本人にとっては相当ショックだったらしく、もうその(先生の)授業は行きたくない、 と言ってききませんでした。 まだまだ打たれ弱い息子であります・・・。
よく言うと、切磋琢磨できる環境である、ということでもあります。
【大規模校の特徴③】お迎えの出待ちが過酷
以前我が家が在籍していた大規模校は、場所柄もあってか
お迎えに来ている保護者の数も半端なく、
授業終了時刻5分前ともなると、アイドルの出待ちさながらの人混みができます。
300人くらいの子がでてきて、一部ではあれ、その保護者が待っているわけですから、
それはすごい人の数になるわけです。
そして、上位クラスから順に子たちはでてきますので、
下位クラスともなると、10分くらいは軽くそこで待つことになります。
また、警備員さんや先生も安全確保のために道路に出てくださっていますが、
これだけ人も多いと、なかには道端で話に夢中になって他の人の通行の妨げをしていたり、
車で校舎の目の前まで乗り付けてきたリ、
駐車スペースでないところに駐車して待っていたりと、マナーが守れない保護者も出没したりします。
小さなことかもしれませんが、これはこれで毎度のことなので、それなりにストレスは感じます(感じてました)。
大規模校以外は大規模校の裏返しではありますが・・・
では大規模校以外はどんな感じなのか見てみましょう。
結論を言ってしまうと、事象としては大規模校の裏返しになりますが、まとめてみます。
【大規模校以外の特徴①】コース変動が少なく、先生の顔ぶれがわかる安心感も
テスト結果によるコース変動の幅が少ないので、昇降しても先生が変わらない、
ということもあります。
またそもそも、先生の数も大規模校に比べて少ないので、先生と顔見知りになれるということもあり、安心感もあると思います。
裏を返せば、大規模校のような緊張感はないとも言えますね。
《我が家のケース》 現在中規模校に通う息子は、まだ日は浅いですが、今のところ安心して通えているようです。
【大規模校以外の特徴②】実は同じコースにも学力差がある
大規模校では1コース内のレンジが狭いので、生徒のレベルが揃う、という話をしましたが、
逆に大規模校以外、特に小規模校では1コース内のレンジの幅が広くなってしまう、
という特徴があります。
ということは、同じ授業を受けていても、生徒の理解度にばらつきが生じて、
この子は問題解き終わってるけどこの子は全然解けてない、みたいなことがありうるので、
理解の足並みがそろわず、授業の進みがどの子に照準が合わされるのか、
講師の力量によるところが大きくなるわけです。
《我が家のケース》 これについては、まだ我が家は実感として直面していませんが、 もしかしたら実は息子が授業についていけていない・・・ということもあるのかもしれません。 残念ながら、授業は見られないので確認はできません。 その場合でも、家庭学習を行っていく中で、本人の理解度をみながら判断し、 こつこつと力をつけていくしかありません。
逆に、よくできるお子さんで、授業中、遅い子のおかげで待たされる~と思っている子は、 次のマンスリーテストで上位コースへ昇格していきますので、問題ない仕組みだと思います。
【大規模校以外の特徴③】志望校別クラスが設置されないものもある
大規模校ではお迎えの出待ちの話をしましたが、ハード面での違いはいろいろあります。
例えば、出待ちについては、生徒数も少ないですから、出待ちの混雑はそれほどでもないと考えられます。
また、校舎の立地にもよるとは思いますが、
比較的近隣から通っている子も多く、一人で帰えることができる子も多いと思われます。
《我が家のケース》 現在我が家が通っている中規模校は駅近でもありますし、 基本的には我が家も一人で帰ってきています。 たまに迎えに行くとき校舎の入り口付近でお見掛けするのは、 会社帰りのお父さんお母さんが寄ってピックアップしてる方々がパラパラ、という程度です。 ただ、頻繁に校舎からのお知らせで、車での送迎の注意文はマイページにあがっていますので、 それなりに皆さんお迎えにはいらしているのかもしれませんが・・・ とはいえ、前述の出待ちストレスは感じられません。
また、ネットでもよく上がっているのが、志望校別クラスが設置されない、というのはあります。
あるけど、人数が少ないから最難関校が一緒にされて、出題傾向が違うものもやることになる(開成と麻布が一緒のコースに、など)という問題もでてきます。
が、その場合は志望校別だけ大規模校に通う、他の塾の志望校別クラスに通うということをされているとも聞きます。
その他の特徴として、受付時間が平日の午前中は時間外になってしまうので、授業を休んだ時に翌日の午前中にテキストを受け取りたいなー、という時は、大規模校に比べてちょっと不便、とかもあります。
まとめ:今のお子さんの状況で見極めてください
結局は、お母さんが、
今のこの子には、どのような環境が合うのか、
という視点で吟味されるのがよいと思います。
なによりも、サピックスは優れたテキストと家庭学習が命です。
極論言ってしまえば、どの校舎であっても、テキストをじっくりと家庭学習で力をつけていくしかないのです。
合格者数や、噂などに惑わされず、
今のお子さんが、きちんと通ってくれる環境かどうかを見極めて、
ご自身で判断してください。
ちなみに我が家は現在4年生で、中規模校に通っていますが、
大規模校に戻るか?と聞くと、
「いや、結構です」
と答えます。
学校の仲の良い友達が大規模校に通っているものの、
今のところ行かないそうです。
推測するに、大規模校で経験した、先生の厳しさのトラウマもさることながら、
友達から聞く、コース昇降の激しさや、
授業終了時のワサワサ感が、
あの子には適していないのかと思われます。
また、大規模校以外での、6年生の志望校別でクラスが設置されない・・・という問題については、
我が家も現在は大規模校ではないので、その問題に直面する可能性は無きにしも非ずですが、
それは5年生になってから考えることにしました。
というのも、それを見越して大規模校に通っても、
実際6年生になった時に、それを問題とするレベルにまでなっていなかった・・・⁈
というオチがありやなしや・・・。
志望校別だけ大規模校に通うというケースもあるとのことなので、
それを悩めるレベルになったその時にまた、考えようかと。
以上ざっくりですが、4年生現在で大規模校、大規模校以外で感じたことをお伝えしてみました。
今後も感じることが出てきたら、またお伝えしていきたいと思います。
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